kazunaマンチェスター反省記
東京で勤務する一研究者が、2006年9月から365日間、英国マンチェスターで生活しました。在英中のブログ(kazunaマンチェスター行状記)を受け継ぎ、英国の思い出や日本での生活を書き継ぎます。
17/06 エルガーの未完成交響曲
 サントリーホールにて行われた東京都響の定期演奏会に1回券で侵入。久しぶりにP席(ステージの後ろ)に座ったが、ここは一番安いわりに飛びっきりの臨場感が味わえる素晴らしい席だ。ただやはり音響は問題があり、特にピアノ協奏曲ではピアノの蓋が前席の方に向かって開けられるため、ソロの音を充分に聴くことができない。今日は2曲プログラムで、1曲目がその問題のピアノ協奏曲だったため、ここではその感想は書かない。ただ一つだけ、ソリスト、オーケストラともに集中度の高い真摯な好演だった。
 メインはオーケストラでの交響曲。エルガーが断片的に残した交響曲のスケッチを、同じ英国の作曲家ペインが補筆完成させた第3番。現世への告別が随所に滲み出た曲想で、密度の濃い4つの楽章が約1時間に渡って繰り広げられる壮大な曲だ。今夜の演奏は、そのエルガー(とペイン)が込めた儚さややり切れない思いに焦点を当て、フレーズが濃厚な凝集力をもって痛切に歌い上げられていた。指揮もオケの音色を活かした構築力で集中度をより高めていた。普段演奏されることの少ない曲をここまで丹念に掘り下げてくれたことにとにかく感謝したい。掛け値無しの名演だったと思う。

[テーマ:クラシック | ジャンル:音楽]

【2008/06/23 22:59】 | 音楽 | トラックバック(0) | コメント(0) |
14/06 東京響のマーラー:交響曲第6番
 明日の英検受験を控え、勉強もそこそこに(笑)、夕方から演奏会へ。今日の会場はミューザ川崎。川崎駅前徒歩3分とのことだが、川崎駅というだけでかなり遠く感じる。しかし実際は総武快速線で品川まですぐに出られるし(出発駅は新小岩)、実は川崎って東京都を越えた一つめの駅(蒲田の次)なので、案外時間がかからずに行ける。蒲田にはアプリコがあるのでわりとよく行っているわけだし。

4403muzaKawasaki.jpg
ミューザ川崎の外観。駅からは高架の歩道が直通している。

4409muzastage.jpg
 ホール内部。安席なので、ステージ横上だった。

 演奏曲は2つ。休憩前はラヴェルのピアノ協奏曲。賑やかに疾走する両端楽章に挟まれた第2楽章の叙情がたまらなく好きなのだが、今日の独奏リフシッツさんは弱奏の中に突然フォルテを紛れ込ませ強烈な刺激を与えてくる。挑戦的で面白い解釈だ。
 メインはマーラーの交響曲第6番。指揮の飯森さんは曲を時間的に細かい単位で切り取り、その各部分を丹念に完結させながら90分を積み上げていくというユニークな試み。ラヴェルでもそうだったが、この方法は緩徐楽章で特に力を発揮するようで、マーラーでも第2楽章(今日はスケルツォが第3楽章として演奏された)が白眉だった。
 6番名物のハンマーは餅つきの杵のような、柄が長く頭部も細長いもの。それを殆ど地面の高さに設置された台に頭上から打ち下ろすのだから迫力が凄く、音もまさに「運命の打撃」で、あんなのを浴びたら人生たまったものではない。また弦の配置が古典的で、Vnは対向、コントラバスは金管のさらに上、オケの最高所にずらりと並んだが、この配置が大当たりで、ベースの低音がオケ全体を心地よく締めていた。

[テーマ:クラシック | ジャンル:音楽]

【2008/06/16 23:02】 | 音楽 | トラックバック(0) | コメント(0) |
17/05 Sat. NHK響定期〜尾高さんのエルガー
 N響のC定期は渋谷のNHKホールにて金曜の夜と土曜の午後に続けて行われる。4月に金曜日の方に出かけたときは空席も目立っていたのだが、今日はほぼ満員。これは土曜日が人気があるせいなのか、プログラムのせいなのか(4月はメシアン1曲のみ、今月はベートーヴェンのピアノ協奏曲有り)、分からないけれども。
 今日聴きに行った理由は尾高さん(指揮)がエルガーの交響曲第1番を振るから。BBCウェールズ響の首席などイギリスでキャリアを積んだ方で、イギリス音楽を振る機会も多い。だが昨年冬頃に見たTV番組(番組名は失念)で、「イギリス音楽は実はあまり好きではない」ともとれることを話していただけに、それが少し心配でもあったのだが…。
 しかし実際の演奏は掛け値なしに素晴らしかった。全体として落ち着いたテンポでどっしりと進められたが、音色が曲に合っているため、集中が途切れたり弛緩するような場面は見受けられなかった。1楽章冒頭に出てくる循環主題が、様々な形で各楽章に顔を出す変奏曲のような仕掛けなのだが、形を様々に変え行く循環主題を巧みに、わざとらしくなく、浮かび上がらせていく構成力は流石。なかなか生で聴く機会の少ない曲(これほどの名曲なのに…)を、万全の演奏で堪能することができた。
 尾高さんがTV番組でエルガーに対し距離を置いた発言をしていたのは、愛情を前面に出すことの少ないイギリス人流だったのだろう。

[テーマ:クラシック | ジャンル:音楽]

【2008/05/19 20:55】 | 音楽 | トラックバック(0) | コメント(0) |
13/04 アイノラ交響楽団第5回定期演奏会
 杉並公会堂にて、いよいよ本番。曲目は、カレリア序曲、エン・サガ、交響曲第5番(いずれもシベリウス作曲)。
 アイノラの定期では毎回必ずシベリウスの交響曲を取り上げてきた。第1回からの交響曲演奏順は5→1→6→3→5となる。第5番は第1回定期以来、2回目となった。私はその第1回にも出演しているのだが、前回は1stヴァイオリンで、今回は2ndを演奏する。わりとパート譜の風景が異なるので、演奏に対する姿勢も自ら違ったものとなっているはず。あるいはそれ以上に、5年という歳月が大きく影響している気もするが。
 朝から全員で集合して、午前中はステリハ(ステージリハーサルの略)に充てられた。限られた時間の中で、それでも新田先生は丹念に響きを作っていこうと取り組まれ、我々オーケストラも同じ方向へ向かっていこうと努力した。先生が言われたことの中で特に印象に残ったのは、音を自分で作っていくのではなく、ホールの中(本当は自然の中なのかもしれない)に既に漂っている音楽を拾っていくのが楽員の役目だということ。音楽が表情を変えるというのは、楽員の姿勢が変わるのではなく、周りに存在している空気が色を変えるのに過ぎないということ。…と言うことは、楽員は自らの責任において全てを作り出すのではなく、手を伸ばせば届くところにもともと存在している要素を耳に聴こえる形に形而下化させればいいのだろう。
 この深遠なアドバイスを自分で実行できたかは分からないが、気負わずに本番に臨むことができたと思う。技術的には改善の余地が大きく、次の本番が1年後とは言えこれからも個人練習に励まねばならないのだが、それでも今日の本番は悔いも無く、楽しく終えることができた。ただ、あとで映像なんかを見たりすると、弓順間違いまくったりしていてショックを受けるだろうけど。

[テーマ:クラシック | ジャンル:音楽]

【2008/04/19 23:05】 | 音楽 | トラックバック(0) | コメント(0) |
12/04 GP for tomorrow
 GPはドイツ語のGeneralprobeの略で、本番直前に行われる舞台稽古のことを指すことが多い。ステリハ(ステージリハーサル)とも言ったりするが、とにかく実際に本番を行う舞台で前日にも練習の機会を持てることは大変に貴重だ。音の響きは練習場やホールごとによって全く異なるので、事前にホールの特性を知っておくことは、美しい音楽作りには実は欠かせない重要な要素なのだ。
 明日の本番(本番の記事は次の項目に書きます)に向けて、短時間ながらも密度の濃い練習を行うことができた。今回の曲たちとお付き合いするのもあと1日だけとなってしまった。自分にとって悔いの無い演奏で締めくくりたいものだ。
ainola5
(演奏会は既に終了しています)

[テーマ:クラシック | ジャンル:音楽]

【2008/04/19 22:40】 | 音楽 | トラックバック(0) | コメント(0) |
プロフィール

Author:kazuna
東京都葛飾区に住み、北区王子へ通勤する技術系会社員。
趣味はオーケストラ、外国語勉強、将棋、野球を観に行くこと、サッカーをTVで見ること、外国で挙動不審な散歩。

最近の記事

最近のコメント

最近のトラックバック

月別アーカイブ

カテゴリー

FC2カウンター

友達申請フォーム

この人と友達になる

ブログ内検索

RSSフィード

リンク

このブログをリンクに追加する

Powered By FC2ブログ

Powered By FC2ブログ
ブログやるならFC2ブログ